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<ニュース・コメンタリー>【一票の格差訴訟】国側答弁で見えてきた自民党改憲草案の危ない意図
<ニュース・コメンタリー>【一票の格差訴訟】国側答弁で見えてきた自民党改憲草案の危ない意図
一票の格差が最大2.13倍だった2014年12月の衆院選について、法の下の平等を定めた憲法に違反するとして2つの弁護士グループが選挙のの無効を求めている裁判で、最高裁大法廷は10月28日、当事者の意見を聞く最終弁論を行ったが、その中で被告の国側が主張した内容には注意が必要だ。この日の弁論では弁護士グループ側が議員定数は人口に比例して配分されなければならないと主張したのに対し、被告となる福岡県の選挙管理委員会は、議員定数は行政区画や地域の特性などを考慮に入れ、国会の裁量で決定されるべきものと主張した。今回の国側の主張はこれまで何度も議論されてきた論点であり、既に最高裁によってそれが投票価値の不平等を正当化する理由とはなり得ないとの判断が下っていると、弁護士グループの伊藤真弁護士は指摘する。「最高裁自体が認めていることなのに、その前の段階の、過疎地域の人の声を反映させなくなっていいのか、少数者の声を聞かなくていいのかという話を敢えてする。分かっていてしているんだと思います。国側としてそういうことを堂々と言ったことは今まで記憶にない」と伊藤氏は語り、旧来の主張を繰り返す国側の動機を訝った。同じく弁護士グループの久保利英明弁護士は、国側は自民党の憲法改正草案を念頭に置いた主張をしているのではないかと指摘した上で、「僕らは(投票価値の不均衡が)憲法違反だという訴訟を起こせなくなる」と警戒する。自民党の憲法草案は第47条の「選挙に関する事項」で、「選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律で定める。この場合においては、各選挙区は、人口を基本とし、行政区画、地勢等を総合的に勘案して定めなければならない」と定め、選挙区割りについて地域間の一票の格差を容認する内容となっている...
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